底辺会社員の投資備忘録

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eMAXIS Slim全世界株式とS&P500の比較

今回はeMAXIS Slim全世界株式とS&P500の比較について解説します。
どちらも人気の高い投資信託ですが、それぞれに異なる優位性があります。兼業投資家としての私自身の経験も交えながら、各商品の特徴やコスト、運用の手間について詳しく見ていきましょう。

eMAXIS Slimシリーズをお勧めする理由についての記事はこちら

boyasawa.hatenablog.jp

eMAXIS Slim 全世界株式

優位性

分散投資の徹底

eMAXIS Slim全世界株式は、先進国から新興国まで広範な地域の株式に投資しています。これにより、地域別リスクを分散でき、一つの国や地域の経済状況に左右されにくい点が大きなメリットです。

一つで全世界をカバー

1つのファンドで世界中の株式市場に投資できるため、ポートフォリオ管理の手間が大幅に減ります。私自身もこの手間の削減を大きなメリットと感じています。

長期的な成長ポテンシャル

世界経済全体の成長に連動するため、長期的には安定した成長が期待できます。特定の市場が低迷しても他の市場が補うことで全体のバランスを保ちます。

連動する指標と主な投資対象


eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、MSCI ACWI(All Country World Index)に連動しています。この指標は、先進国および新興国の大型株および中型株を含む株式指数です。

投資国と保有割合(例:2024年時点)


アメリカ:約60%
日本:約7%
イギリス:約4%
中国:約4%
その他:約25%
主要企業と保有割合
Apple:約4%
Microsoft:約3%
Amazon:約2%
NVIDIA:約1.5%
Alphabet(Google)C:約1.2%

信託報酬

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー):年率0.1144%
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本):年率0.1144%
低コストで分散投資ができるため、長期投資においても手数料が大きな負担とならない点が魅力です。

過去の成長率

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、設定来の年間平均リターンが約8%(2024年時点)とされています。

暴落時のリスク、回復率、回復期間

暴落時のリスク

全世界株式は幅広い地域に分散されているため、一国の経済危機の影響を受けにくいが、グローバルな経済危機(例えば2008年のリーマンショック)の場合は大きな影響を受ける。

回復率

リーマンショック後、全世界株式は約2年で元の水準に回復しました。

回復期間

全世界株式は回復期間が短く、リーマンショックやコロナショック後も比較的早く回復しています。

シャープレシオ

リスク(標準偏差)に対するリターンの比率を表すシャープレシオがあります。この数値が高いほど、リスクあたりのリターンが高いとされます。
シャープ・レシオ:0.60(2024年時点)

【補足】日本株含む、含まない

日本株含むタイプ(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー))

日本株も含まれるため、国内市場の成長も享受できます。

日本株含まないタイプ(eMAXIS Slim全世界株式(除く日本))

日本株を除外することで、よりグローバルな分散投資が可能です。

管理人は「日本株を含むタイプ」を運用していますが、ここは好みだと思います。
「日本企業を応援する」という気持ちと新NISA枠の拡充により国内個別株に投資する余力がないというのが理由です。
日本の成長性や給与等を日本に依存していること等を考慮して「日本株を除くタイプ」に投資することも選択としてありだと思いますし、理論的には正解な気もしています。

「eMAXIS Slim全世界株式における日本株を入れるか入れないかの選択」についての記事はこちら

boyasawa.hatenablog.jp

eMAXIS Slim S&P500

優位性

高い成長率

S&P500はアメリカの主要500社で構成されており、過去の実績からも高い成長率が期待できます。特に近年はGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)などの巨大IT企業が牽引する形で高いリターンを上げています。

経済の牽引役

アメリカ経済は世界経済の中でも特に強力な牽引役であり、世界経済の成長の恩恵を受けやすい点がメリットです。

シンプルな投資先

投資先がアメリカの大企業に限定されるため、シンプルかつ明確な投資先として管理しやすいです。

連動する指標と主な投資対象


eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、S&P500指数に連動しています。この指標は、アメリカの主要500社で構成されており、アメリカ株式市場全体の動向を反映しています。

主要企業と保有割合(例:2024年時点)


Apple:約6%
Microsoft:約5%
Amazon:約3%
NVIDIA:約2.5%
Alphabet(Google)A:約2%

信託報酬

eMAXIS Slim米国株式(S&P500):年率0.0968%
オルカンに比べても非常に低コストで運用できるため、手数料負担が少なく済みます。

過去の成長率

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、設定来の年間平均リターンが約12%(2024年時点)とされています。

暴落時のリスク、回復率、回復期間

暴落時のリスク

S&P500はアメリカ市場に集中しているため、アメリカ経済の低迷や市場の暴落に大きく影響を受けます。しかし、アメリカ市場は他国よりも回復力が強い傾向があります。

回復率

リーマンショック後、S&P500は約3年で元の水準に回復しました。

回復期間

S&P500は回復期間が比較的短く、歴史的に見ても数年以内に元の水準に回復することが多いです。

シャープレシオ

リスク(標準偏差)に対するリターンの比率を表すシャープレシオがあります。この数値が高いほど、リスクあたりのリターンが高いとされます。
シャープ・レシオ:0.70(2024年時点)

どちらを選ぶべきか?

eMAXIS Slim全世界株式を選ぶべき人

広範な地域に分散投資をしたい
世界全体の経済成長に投資したい
ポートフォリオ管理の手間を減らしたい

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を選ぶべき人

アメリカの経済成長を信じている
高い成長率を期待したい
シンプルな投資先を選びたい

【補足】リスク分散の観点からの考え方


最近では、リスク分散の観点からeMAXIS Slim全世界株式とS&P500の両方を保有するという考え方が見られます。これは一見理にかなっているように思えますが、実際にはアメリカ株への偏りが顕著になるため、必ずしも最適な分散投資とは言えません。例えば、eMAXIS Slim全世界株式には既にアメリカ株が約60%含まれているため、S&P500を追加で保有するとアメリカ市場の影響がさらに強まります。これにより、地域分散の効果が薄れ、特定の市場のリスクに対する耐性が低くなる可能性があります。

※あくまでも管理人の考えであり「精神的な安心を重視する」という考え方、選択も理解できるので投資スタイルそのものを否定するものではありません

まとめ

兼業投資家である管理人は分散投資、放置可能という点を重視して全世界株式型に投資していますが、eMAXIS Slim全世界株式とS&P500にはそれぞれ異なる優位性があります。分散投資を重視し、手間を減らしたい方には全世界株式が、過去の成長率やシャープレシオ等を参考にアメリカ市場の今後の成長を信じ、集中投資を行いたい方にはS&P500が適しています。どちらも低コストで運用できるため、長期的な資産形成において強力なツールとなります。
投資において「正解」はないと思いますが、この二択にたどり着いた時点で少なくとも「不正解」ではないと思います。自身が納得して長期的に付き合える投資信託を選択しましょう。

その他、考察に関する記事はこちら

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