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為替ヘッジとは?【実例を添えた解説】

海外投資を行う際に重要な要素の一つが為替リスクです。為替リスクとは、通貨の変動によって投資リターンが変動するリスクのことです。このリスクを回避するために使われる手段が「為替ヘッジ」です。今回は、米ドルを例に、為替ヘッジの仕組みとその効果について解説します。

為替ヘッジとは?

為替ヘッジとは、為替レートの変動リスクを軽減するための手段です。具体的には、将来的な為替レートの変動に備えて、為替先物やオプション取引を利用して、為替レートを固定する方法です。これにより、投資元本やリターンが為替変動の影響を受けにくくなります。

為替(円高、円安)に関しても記事にしています。
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boyasawa.hatenablog.jp

実例:米ドルを例に為替ヘッジの効果を解説

前提条件

・投資商品:米国株
・初期投資額:10,000ドル
・投資時の為替レート:1ドル=100円
・為替ヘッジなし:為替リスクをそのまま負う
・為替ヘッジあり:為替リスクを回避
・ヘッジコストは考慮しない

円高に変動する場合

1. 投資商品(米国株)の価格が変動しない場合

・ 為替レート:1ドル=90円

為替ヘッジなし
・10,000ドル × 90円 = 900,000円
・為替損失:1,000,000円 - 900,000円 = 100,000円の損失

為替ヘッジあり
・ヘッジにより為替レートは100円に固定
・10,000ドル × 100円 = 1,000,000円
・損失なし

2. 投資商品(米国株)の価格が上昇した場合

・米国株が10%上昇して11,000ドルになる
・為替レート:1ドル=90円

為替ヘッジなし
・11,000ドル × 90円 = 990,000円
・円ベースでは、1,000,000円 - 990,000円 = 10,000円の損失

為替ヘッジあり
・ヘッジにより為替レートは100円に固定
・11,000ドル × 100円 = 1,100,000円
・100,000円の利益

3. 投資商品(米国株)の価格が下落した場合


・米国株が10%下落して9,000ドルになる
・為替レート:1ドル=90円

為替ヘッジなし
・9,000ドル × 90円 = 810,000円
・円ベースでは、1,000,000円 - 810,000円 = 190,000円の損失

為替ヘッジあり
・ヘッジにより為替レートは100円に固定
・9,000ドル × 100円 = 900,000円
・100,000円の損失

【円高】結論

1.投資商品(米国株)の価格が変動しない場合
ヘッジなしでは損失を出したが、ヘッジありでは変動がなかった

2. 投資商品(米国株)の価格が上昇した場合
ヘッジなしでは損失を出したが、ヘッジありでは利益を出した

3. 投資商品(米国株)の価格が下落した場合
ヘッジありでも損失を出したが、ヘッジなしではより多くの損失を出した

【総括】
円高に変動する場合は為替を固定できるヘッジありの方が円高による損失を減らし、利益を出しやすくなる。

円安に変動する場合

1. 投資商品(米国株)の価格が変動しない場合

・為替レート:1ドル=110円

為替ヘッジなし
・10,000ドル × 110円 = 1,100,000円
・為替利益:1,100,000円 - 1,000,000円 = 100,000円の利益

為替ヘッジあり
・ヘッジにより為替レートは100円に固定
・10,000ドル × 100円 = 1,000,000円
・変動なし

2. 投資商品(米国株)の価格が上昇した場合


・米国株が10%上昇して11,000ドルになる
・為替レート:1ドル=110円

為替ヘッジなし
・11,000ドル × 110円 = 1,210,000円
・円ベースでは、1,210,000円 - 1,000,000円 = 210,000円の利益

為替ヘッジあり
・ヘッジにより為替レートは100円に固定
・11,000ドル × 100円 = 1,100,000円
・100,000円の利益

3. 投資商品(米国株)の価格が下落した場合

・米国株が10%下落して9,000ドルになる
・為替レート:1ドル=110円

為替ヘッジなし
・9,000ドル × 110円 = 990,000円
・円ベースでは、990,000円 - 1,000,000円 = 10,000円の損失

為替ヘッジあり
・ヘッジにより為替レートは100円に固定
・9,000ドル × 100円 = 900,000円
・100,000円の損失

【円高】結論

1.投資商品(米国株)の価格が変動しない場合
ヘッジなしでは利益を出したが、ヘッジありでは変動がなかった

2. 投資商品(米国株)の価格が上昇した場合
ヘッジありでも利益を出したが、ヘッジなしではより多くの利益を出した。

3. 投資商品(米国株)の価格が下落した場合
ヘッジなしでも損失を出したが、ヘッジありではより多くの損失を出した

【総括】
円安に変動する場合はヘッジなしの方が、円安恩恵を受け利益を出しやすくなる。

為替ヘッジのメリットとデメリット

メリット

1. 為替リスクの軽減
為替レートの変動による損失を避けることができます。

2. 安定したリターン
投資商品の価格変動だけに注目できるため、リターンの予測がしやすくなります。

デメリット

1. ヘッジコストの発生
為替ヘッジを行うためのコストがかかることがあります。これがリターンを削減する要因となる可能性があります。

2. 為替メリットの放棄
円安の恩恵を受けられないため、為替差益を逃す可能性があります。

まとめ


為替ヘッジは、投資における為替リスクを軽減するための有効な手段です。
しかし、そのためのコストや、円安のメリットを享受できないというデメリットもあります。投資家は、自分のリスク許容度や投資の目的に応じて、為替ヘッジを活用するかどうかを慎重に検討する必要があります。
株式等の市場の動向に加え、各国の状況、政策に影響を受ける為替のことも考慮し運用することは難しいですが、為替ヘッジの有無をうまく利用することで利益を増やす、または利益を守ることが出来ます。
為替レートの変動が投資リターンに与える影響を理解し、適切な戦略を立てることで、より安定した資産運用を目指しましょう。

その他、投資豆知識に関する記事はこちら

boyasawa.hatenablog.jp

 

為替(円高、円安)に関する記事はこちら

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