底辺会社員の投資備忘録

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投資におけるリスクヘッジとしての「金」と「債券」の役割

ここ数週間、日米、世界的にも大きな株価の変動が続いています。
株価の大きな変動、特に暴落相場では、リスクヘッジが重要になります。金と債券は、多くの投資家がリスクを減らす手段として用いる代表的な資産クラスです。この記事では、それぞれのメリット・デメリット、現物とETFや投資信託での運用の違い、そして「債券不要論」や「金投資やめとけ」という意見に対して、現代の市場環境から見た考察を含めて解説していきます。

 

金のメリット・デメリット

メリット
  • 安全資産: 金はインフレーションや通貨の価値低下に対する安全な資産として評価されます。
  • リスク分散: 金は株式市場や債券市場と相関が低いため、リスク分散効果が期待されます。
  • 長期的な価値保持: 歴史的に、金はその価値を長期間にわたって保持する傾向があります。
デメリット
  • 無配当: 金は配当や利子を生まないため、キャッシュフローを得ることはできません。
  • 保管コスト: 現物の金を所有する場合、保管費用や保険料がかかることがあります。
  • 価格変動リスク: 金の価格は市場の不安定要因に大きく影響されるため、短期的には大幅な変動が見られることもあります。

債券のメリット・デメリット

メリット
  • 安定した収益: 債券は、一定の利子を定期的に受け取れるため、安定した収益を得られます。
  • 元本保証: 満期まで保有すれば、額面金額が返済されるため、元本が守られます(ただし、発行体の信用リスクがない場合に限る)。
  • リスク軽減: 債券は株式に比べて価格変動が少なく、ポートフォリオ全体のリスクを軽減する効果があります。
デメリット
  • インフレリスク: インフレが進行すると、債券の固定利子が実質的に目減りするリスクがあります。
  • 信用リスク: 債券発行体が破綻する可能性があり、元本が返済されないリスクもあります。
  • 金利上昇リスク: 市場金利が上昇すると、債券価格が下落するため、売却時に損失を被る可能性があります。

現物とETF・ファンドでの運用の違い

現物運用(例: 金の現物、債券の直接購入)

メリット:

  • 完全な所有権: 投資家は金の現物や債券の所有権を完全に持つため、直接的に管理できます。
  • 長期保有の安心感: 債券の場合、満期まで保有すれば、元本が返済される保証があるため安心感があります。

デメリット:

  • 流動性の低さ: 現物の金や債券はすぐに売却するのが難しい場合があり、流動性に欠けます。
  • 保管コスト: 現物の金には保管費用、債券の直接購入には取引手数料や管理コストが発生する可能性があります。
ETFやファンドでの運用

メリット:

  • 流動性の高さ: ETFは株式と同様に取引所で取引されるため、売買が容易で流動性が高いです。
  • 分散投資: ファンドやETFを通じて投資することで、複数の債券や金関連資産に分散投資が可能です。
  • 低コスト運用: 多くの場合、ファンドやETFは管理費用が低く抑えられており、直接保有するよりもコスト効率が良い場合があります。

デメリット:

  • 手数料が発生: ETFやファンドには管理手数料がかかり、長期保有においてコストが積み重なる可能性があります。
  • パフォーマンスの追跡誤差: 一部のETFやファンドは、対象とする金価格や債券市場の動きに完全に追随しないことがあります。

金、債券をリスクヘッジとして保有することへの反対意見について

債券不要論

「債券不要論」とは、特に低金利時代において債券が個人投資家のポートフォリオに不必要だと主張する考え方です。理由としては、債券のリターンが株式などに比べて低いことや、金利上昇局面では債券価格が下落するためリスクがあることが挙げられます。さらに、近年のインフレ環境下では、債券の利回りが実質的にマイナスになる可能性もあるため、他の資産クラスに優位性があるという意見が出てきます。

ただし、この考え方には異論もあり、債券はリスク分散の役割を果たし、特に株式市場が不安定な時期には資産を守るために有効な手段であるとされています。ポートフォリオに債券を組み込むかどうかは、投資家のリスク許容度や目標に応じて慎重に判断する必要があります。

「金投資やめとけ」と言われる理由

「金投資やめとけ」という意見は、金が配当を生まないことや、短期的に価格が大きく変動するため、安定したリターンを期待できないという理由から出てきます。加えて、保管コストがかかる現物金の所有は個人投資家にとって負担になることもあり、一部ではリスクが高いと見なされています。

また、金の価格はインフレや通貨危機などに対する安全資産としての役割を果たしますが、経済が安定している状況下ではその価値が相対的に低下しやすいため、特に長期投資においては他の資産クラス(株式や不動産など)に劣るという意見もあります。それでも、ポートフォリオのリスクヘッジとしては引き続き有効とされる場合も多いです。

このため、「やめとけ」という主張は特定の投資家の状況や市場環境に依存するものと言えます。投資目的に合った運用方針を見極めることが重要です。

総括

投資家は金と債券を組み入れることで、リスクをヘッジしつつ、安定したリターンを期待できます。金はインフレーションや通貨の不安定さに対するヘッジ手段であり、債券は安定した利子収入を得るためのツールとして優秀です。
ただし、現物投資では保管コストや流動性の低さ、ファンド運用では手数料やパフォーマンスの追跡誤差が生じることを念頭に置き、投資目的やリスク許容度に応じて最適な選択を行うことが重要です。

ここまで、「金」「債権」の有用性について特にフォーカスして見ていきましたが、私は、個人のポートフォリオにおいて、特に資産形成初期や年齢が若い方には資産を守ることよりも増やすことに重点を置くために「金」「債権」ともに不要だと考えています。
根拠、考え方としては、「金」や「債権」を組み入れた「守りのポートフォリオ」に移行するのは、資産形成をある程度進め、総資産額が大きくなってからでも十分間に合うという判断から、資産形成初期は「金」「債権」を持つのであれば、代わりに現金を多めに持っていた方が柔軟な対応ができるというものです。
「金」「債権」が重要とされるのは専業投資家やファンドマネージャーなどの暴落が退場に直結する方、もしくは資産形成終期、多くの資産をすでに保有している方であるという考え方ですね。

兼業投資家や運用期間が長く取れる方は自身のリスク許容度に応じてリスク資産に比重を置く「攻めのポートフォリオ」でもよいのではないのでしょうか。

私の資産額では、まだ「守りのポートフォリオ」に移行できるのは遠い未来ですね...
まずは新NISAの1800万の非課税枠を株式型投資信託で埋めてからですね。
せっかくの非課税枠は高いリターンを狙える株式型で埋めたいですし、当面は現金とリスク資産で運用する「攻めのポートフォリオ」で運用していこうと思います。

繰り返しにはなりますが、「投資は自己責任」ですのでリスクの取り方も自分が最も納得できる方法、割合、銘柄選択をとることが重要です。

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boyasawa.hatenablog.jp
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